本当はちゃんと計ったほうが良い。そうなんだけど、温度計やスケールなどとりあえず計るものが無い環境でもそこそこちゃんとしたコーヒーを淹れられるのが、アウトドア向きに開発されたらしいエアロプレスのエラいところだ。
私はそれでも頑なに計って淹れるが、代用品でこんな感じに淹れられますよ、ということをご提案したいガイドと捉えて欲しい。
エアロプレスの胴体部分(筒状でチャンバーと呼ぶ)の押し出す側にはスペースがあり、ここにコーヒーミルなどを入れて収納することも可能だが、ここに水を入れるとちょうど220gになる。エアロプレスで淹れるコーヒー1杯分だ。
ドリッパーを買うとついてくる計量スプーン(単品でも売っている)のひとさじは、豆の焙煎具合によって左右されるがおおよそ15gになる。エアロプレスで淹れるコーヒー1杯分だ。スカスカと軽そうな豆ならすり切りよりも少し多めに。ぐっと詰まった感じのする重そうな豆ならすり切りくらいかやや少なめでいいだろう。メジャースプーンがなければ15g計れそうな何かのスプーンで代用してもいいだろう。
チャンバーはこうやって繋げる。注射器のように押し出すことができる。カップに乗せる側は写真の左の方の部品だ。
チャンバーに挽いた豆を入れる。頼む、豆は家で挽いて欲しい。豆を挽く感触と香りを前菜のように楽しんで欲しい。私からのせめてものお願いだ。
エアロプレス付属の紙フィルタは少し濡らしておけば蓋を閉める時にくっついて落ちない。
チャンバーで計った約220gの水を沸かして、手頃なガラスの容れ物(常温)にうつすと86〜7℃程度になる。これでも十分だろう。容れ物は出来ればドリップケトルなどがあればベストだがなければ口の部分が少し尖っている計量カップのようなものがベターだ。エアロプレスにお湯を注ぐときにマグカップなど尖ったところがないものだとお湯をこぼしまくるぞ(試してみた)。なお、火傷には十分注意して欲しい。お湯は熱い。
そのお湯をもう一度沸かしなおして、今度は一度熱湯で温まった容れ物に注ぐ。温度は90℃少し超えるくらいだ。買ってきたばかりの新鮮な豆、とくに炒りの浅い香りを楽しみたいものならこれくらいで淹れるのがいいだろう。
抽出までは1分半で行う。カップラーメンよりも早くコーヒーは入る。ぜひスマホなどで時間を気にして欲しい。
カップのお湯の半分より少ない量(100gのつもりで)を10秒くらいでチャンバーにいれ、付属のヘラで5秒間かき混ぜよう。その後45秒以内に残りのお湯を注ぎ終わろう。これで合計1分だ。お湯を注ぐ時はなるべく一定のスピードで、かつ1箇所に集中させずにまんべんなくコーヒー豆にお湯を注ぐようにしよう。
チェンバーをひっくり返してカップに乗せ、30秒かけてじっくり一定のスピードで押し出す。これで合計1分半。コーヒーの出来上がりだ。押し出すでプシュと押し出すゴムといれているコーヒーの間の空気が出る辺りまで押し出したらそこで止めていい。コーヒー豆自体を潰すように押し出す必要はない。
抽出時間わずか1分半、豆を挽く時間などを考慮しても5分もあればうまいコーヒー入る。ぜひ家での1杯のコーヒーの飲み方の参考になれば幸いだ。