ザック・スナイダー監督の映画『ウォッチメン』は映画館で鑑賞したものの、いまいちその世界がわかりませんでした。観終わった後ひたすら「???」という状態。
その後、その世界観はとても深く、理解するには原作コミックを読まずには不可能、ということを知りました。
いつか読みたいな、読みたいな、と思っていたら先日のAmazonのセールで映画『ウォッチメン』が約半額になっていて、その半額というのが実はコミック1冊分とちょうどいい感じで一緒でした…ゴクリ。
※DVD-Boxの元の価格は6,279円のようですが、2011/5/31までのセール中の合計は6,656円だ!
おもいっきりアメコミ初心者のボクのアメコミ・デビューは、この『ウォッチメン』ではなくバットマンのこの2冊同時でした。
奇しくも『イヤーワン/イヤーツー』の原作は、『Sin City』『300』などでおなじみフランク・ミラー。『キリングジョーク』の原作は『ウォッチメン』のアラン・ムーアです。このはじめての2冊は個人的には宝物過ぎて読むときに汚したりとか変な跡をつけたくなくてスゴく緊張する。
大事にしている、というだけではなく、普段読み慣れないアメコミの独特なリズムは、日本の漫画に慣れてしまったボクにはとても重い、重厚。なかなか読み進まない。1ページの情報量も半端ないし、ヴィジュアルのアピールもスゴイです。
とにかく1冊の存在感がヘビー級なので、この2冊はまだはじめのところしか読めていません。じっくりと腰をすえて読まないと、とてもじゃないけど受け止められない。
その点、というのもなんですが、原作コミック『ウォッチメン』の良いところは、まさに「原作」なところ。
順番は逆ですが、この原作があって、その世界観を再現しながら映画化したのが’映画『ウォッチメン』。
つまり、映画を観ていれば、原作のストーリーというかアウトラインは予習できているわけです。アメコミの持つ重厚な存在感を少し手を付けやすい状態が作れる。
そして、逆に驚くのがコミックの完成度の高さ。映画版を観てしまうと、やはりリアルな映像・音楽・台詞が視覚や聴覚にダイレクトに訴えかけてくるので、それと比較したらどう考えてもコミックの方が不利なはずなんです。
それは監督であるザック・スナイダーのスゴさもモチロン。この予告編だけでもかなりテンションが上がる!
ウォッチメン
※youtubeより。RSSリーダーでは表示出来ないことがあります。 表示出来ない場合はこちら
しかし、アラン・ムーアの原作『ウォッチメン』は、アメコミの頂点とすら言われているだけあって、なんというか行間ならぬコマ間、それもコマとコマを移動する自分の視線のリズムみたいなモノまでが作品の興奮度を高めていきます。
映画で既に観ているあのシーンやこのシーンが、コミックのコマの中でオリジナルとしての魅力を放ち、さらに映画にない読み手のリズムを刺激しまくります。
映画で言ったら5分?10分?くらいのストーリーを読み進めるのにもスゴく時間がかかる。原作の持つ情報量を受け止めながら進んでいくと、映画観るよりもはるかに超大作になっています。
映画でカットされたシーン、映画脚本に含まれていないシーンを別にしても、です。
近年の『バットマン・ビギンズ』などに代表されるアメコミ原作もの映画リバイバル(という言葉があるのかどうかはわからないけれど)でアメコミそのものに興味を持った方で、まだアメコミの扉を叩けていない人がいたら、ぜひ映画『ウォッチメン』を観て、そして原作『ウォッチメン』を読むことをオススメします。
今まで知らなかった世界・楽しみ方が確実にそこにはあるし、さらにこれは入り口でもっともっとアメコミの世界に吸い込まれていくかも知れないですが、ボクは行っちゃいます。