そのドアを開けたらゾンビがいる

わかっているんだけどねぇ〜☆

Yacht Rock(ヨットロック)にハマったおかげでAOR名盤108枚をApple Musicで片っ端から聴くハメに…

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Yacht Rock(ヨットロック)というジャンルをご存知ですか?

私が一番初めにそれを耳にしたのは、山崎まどかさん&長谷川町蔵さんの『ハイスクールU.S.A.』だったか『ヤング・アダルトU.S.A.』だったかちょっと記憶が定かではない*1のですが、なにやらオモロいジャンルがあるからいつかちょっと聴いてみよう、と頭の片隅にとどめていました。

で、ふと思い出して調べ始めてすっかりハマった!

www.channel101.com


Yacht Rock 1 HD

まずはChannel 101のYacht RockのサイトかYoutubeでシリーズを出来れば全て観て欲しいのですが、これ、テレビの音楽バラエティ・コメディ番組なんです。

とってもざっくり言うと、かつて一世を風靡したAOR、ではなく“Yacht Rock”*2の珠玉の名曲たちの誕生エピソード*3を紹介するモキュメンタリー。出てくるアーティストなりバンドは(役者が演じていますが)実在するし、その曲も(おもいっきりリップシンクしていますが)実在するものなので、正確にはモキュメンタリーとも呼べないかもしれない。

これ、チープなテイストで70年代後半から振り返る再現VTRが本当にオモロくて、残念ながら字幕は存在しないのですが、そういう番組だとわかって見ればそのパロディ化っぷりがとっても笑える。

もちろん笑えるだけじゃなく、そこで流れる名曲たちがスムース・ミュージックというテーマでくくってあって、本当に心地よく紛れも無く名曲たちなので、観ているうちにその音にもグッと来てしまった。

「ヨットロック」について調べると、番組のサイトやそれに関する情報はいくつか見つかるので、まずは番組で使われた曲を中心にという感じでコツコツ曲を調べて聴きだしました。Apple Musicにもこんなプレイリストがありがたいことにあった。

アメリカでジャンルとしてのAOR(アダルト・コンテンポラリー)がどういう扱いなのかはわかりませんが、私は勝手に大いなる偏見でフワフワしたジャンルだなぁと食わず嫌いしていました。また過去に実際に耳にしていたもののテレビCMだったりの印象と合わさってあまりイケてないなぁと思っていたのですが、それはかなり大きな間違いで、偶然にも先般の『ハートカクテル』とあわさって、この番組のおかげでここへ来てYacht Rock/AORが一気にグッと来ています。ハマっています。ようやく聴く耳の準備ができたということでしょうか。こういうコンピも耳に嬉しい。

 

 

そこで、番組に出て来たものなど、Apple Musicでサラッと探して聴いていたのですが、AORの中でどこまでを(あるいはどれを)スムース・ミュージックとしてのYacht Rockと呼ぶか(呼びたいか)、というかAORってどれくらいあるんだ?と調べていたらまんまと沼にハマった。

専用のガイド本が出ているくらいのボリュームのある(当たり前か)ジャンルで、凝った音がザクザク出てくる。キリがないとわかりつつも、ここまで来たからにはついでだ、とばかりにApple Musicで聴けるAOR(と思われるもの)を自分用ブックマークとして、片っ端からリストアップしてみました。全部で108アルバムあります。煩悩の数との関係は偶然でしょう。いちおうAORと思わしきものが並んでいるはずですが、素っ頓狂なものもあるかもしれません。そのへんはご容赦のほど。

私自身まだまだ入門者なので、ここに上げたアルバムをひとつひとつ聴いていきながら、これはYacht Rockっぽいぞ?とか、いやそもそもこれもAORなの?みたいなことを考えながら、ガマンできなくなったらガイド本*4の購入なども検討しつつYacht Rock/AORの世界に浸ってみたいと思います。

 

※追記:普段あまり聴いてこなかった範囲なので入門者なりの感想をそれぞれに140文字以内で、特にお気に入りには文末に☆をつけてみようとおもいます。量が量なのでどこまでやるかはわかりません。38/108

1975

Hirth from Earth

Hirth from Earth

  • Hirth Martinez
  • シンガーソングライター

隣に座って囁きかけるようなヴォーカルはアーシーでありながらどこ吹く風。ロビー・ロバートソンプロデュースの本作は、10のポップなグルーヴもありながら、3、5、12などのやや綺麗なトム・ウェイツ風吟遊詩人なムードも抜群です。AORというよりアシッドフォークとして楽しんでます。

Daryl Hall & John Oates

Daryl Hall & John Oates

  • ダリル・ホール&ジョン・オーツ
  • ポップ

イメージと違う!驚くのはメイクだけじゃないH&Oの4th。日本でいうチャゲアスの元祖みたいなフォークテイストからポップの王道に鎮座まします二人。ザ・ポップな1で幕を開け、2、5でしっとり、3、6のお茶目なグルーヴでチラチラ目配せして、7、11、12で珠玉のスムースをキメる!☆ 

Split Coconut

Split Coconut

  • デイヴ・メイスン
  • ロック

元トラフィックのギタリストのソロ。これだけ音とジャケットのイメージが完璧なのもスゴい、そういう音です。ほどよいレイドバック感で泥臭くなりすぎず「英国ブルーズマン、アメリカを行く」という理想的な融合感があります。初期の時点でAORってこんなに完成されていた奇跡のアルバム。☆

Still Crazy After All These Years

Still Crazy After All These Years

  • ポール・サイモン
  • ポップ

古き良きクラシカルロックのバラエティに富んだアルバム。Yacht Rock的なスムースさと言うよりは、普遍的スムースさ、スムースの先輩といった趣きがあります。大人っぽさに関しても同じく地に足がついた感はAORを遥かに先取りしていた、と言えなくもないです。まさにスムースの父。

 

1976 

Silk Degrees

Silk Degrees

  • ボズ・スキャッグズ
  • ポップ

Mr.AOR、ボズ・スキャッグス。一聴した印象は「あぁ、まさにそういうのだなぁ」とあまり良くない印象だったんですが、何度か聴いているうちにその底知れぬ良さにズブズブ沈んでいく感があります。既に固まっている良くない方のAORのイメージを内側から壊していく、そんなアルバムです。☆

Hard Candy

Hard Candy

  • ネッド・ドヒニー
  • ポップ

メローとスムースのスプリット盤を作ったらこうなるという教科書のように見事にメローサイドとスムースサイドがわかれている作品。2、3、7、8のスムース感は私の理想とするYacht Rock感にとても近く思わず身体が揺れ動きます。時代を先駆けたAORアイスバケツチャレンジ!☆

Breezin'

Breezin'

  • ジョージ・ベンソン
  • ジャズ

タイトル曲1がキラーチューンすぎるジャズギタリスト・ジョージ・ベンソンの大ヒットアルバム。ムード音楽くらいスムースを突き詰めてる2といい、存在を消してBGMになれるくらいの軽さの中にあるしっかりした芯がスッと耳に滑り込んでくるそんなフレージング。これがオトナの優しさ。☆

Anything You Want

Anything You Want

  • John Valenti
  • ロック

全員口を揃えて言う「スティービー・ワンダー!?」。なのにLAロックなデザインだし、ヴァレンティという芸名(本名はリヴィグニ)はその『ダイ・ハード』の名悪役アラン・リックマン風ルックスからに違いない!特に3、5、7、11のグルーヴィさはスティービーのベスト!ってくらいの良作。

Parker McGee

Parker McGee

  • パーカー・マッギー
  • ポップ

ジャケットに相反してアコギ爪弾くオープニングのネスカフェ風メローから、大きく入るピアノの美メロなど、綺麗なポップスかな?フォークロックかな?ソフトロック?とその座りに迷いながらもミディアムな6や8、10のキャッチーさでシッカリとYacht Rockテイストに寄せてくる。

 

1977

Aja (Remastered)

Aja (Remastered)

  • スティーリー・ダン
  • ロック

超名盤として名高い本作。映像に例えるなら『2001年宇宙の旅』から受ける印象ような、ディスカバリー号の内部のデザインの様な音がします。少し聴いて引っかかったらぜひヘッドフォンで。ツヤツヤに磨かれた音に浸れます。最適な入門盤にして最高峰みたいなアルバムなので末長く楽しみます。☆

Sleeping Gypsy

Sleeping Gypsy

  • マイケル・フランクス
  • ポップ

ムーディーなジャズボーカルやボサノバにも似た優しい曲というのもAORの中に見られる魅力の一つ。このアルバムはそういう優しさで出来ていて気前がいいので半分なんかじゃなく全部が優しい。目的はただ一つスムース&リラックス、その為だけに聴かれるべき大らかな水面のようなアルバムです。

Terence Boylan

Terence Boylan

  • Terence Boylan
  • ポップ

レイドバックした雰囲気に包まれた快適アルバム。1、2、6のドライブとタイトなリズムが心地良いYacht Rockと言えるかもしれないが、全体的な印象はキレイなサザンロックという感じ。80′sクラプトンなんかに似た印象です。埃っぽさはなくヨットハーバーの陽射しが似合いそう。

The Kenny Rankin Album

The Kenny Rankin Album

  • ケニー・ランキン
  • ポップ

実直な保安官っぽい表情のジャケットから想像し得ない甘く美しい声で、普段要領わるい朴訥な人が忘年会で歌い出したと思ったら全員ウットリ、フォーキーなアルバム。2、3、9の天使のような郷愁や4、6、7で見せる憂いの魅力もタマラナイ。ジョー・コッカーで有名な5のアレンジもトロける…

Night Music

Night Music

  • Cecilio & Kapono
  • ロック

メキシコ&インディアンの血をひくセリシオとハワイアンのカポノの3rd。その野獣のような毛むくじゃらの風貌からは最も遠いビーチのゆうべのようなほのかに潮の香り漂う艶やかな曲満載。カバー曲4も良いが、5、6、7、8などのスムース+郷愁感は思わず目を細めるジャングルクルーズ。

Appetizers Featuring Undercover Angel (Remastered)

Appetizers Featuring Undercover Angel (Remastered)

  • アラン・オデイ
  • ポップ

日本では長らく山下達郎の英詞パートナーとして有名なアラン・オデイ。6、7、8をはじめ、ジャケットのそこはかとないひょうきんさと人懐っこい表情のようなキュートで職人の気の利いたオシャレの様な渋カッコいい曲満載。ジャケットの裏地に使いたい布No.1なアルバム。こういうの超好み!☆

Waters

Waters

  • The Waters
  • ロック
  •  

イントロから溜息漏れる極上のスムース1や5など、ネルドリップのごとくスローなグルーヴにこのグループの良さが溢れています。この深煎りで粘着質な感じはやはり黒人グループ独特な美しさなんでしょうか。7のような痛快ファンクチューンもあったりします。なかなかの甘い香りです。

Jaye P.Morgan

Jaye P.Morgan

  • Jaye P. Morgan
  • ジャズ
  •  

ベテラン女性シンガーを、デヴィッド・フォスターが記念すべき初プロデュース、オールスターラインナップで引き立てる本作は半分がカバーで手堅さも感じますが、軽快さがザ・ドライヴな1、ボッサ調の4、グルーヴィーな6、ムーディーなジャズバラードの9とオリジナル曲にこそ魅力が満載です。

Longer Fuse

Longer Fuse

  • ダン・ヒル
  • ポップ
  •  

 

Bruce Roberts

Bruce Roberts

  • ブルース・ロバーツ
  • ポップ
  •  

 

What's Wrong With This Picture?

What's Wrong With This Picture?

  • アンドリュー・ゴールド
  • ポップ
  •  

これぞYacht Rockなインテリアの部屋で頭を抱えてテレビを観るアンドリュー、ナイス・スムースの中にも一癖も二癖もある変態ポップス。『自画像』という邦題がついたらしいが、爽やかな音にも苦悩が見られるジャケットへの解釈か。3、9などのギターの味わいがクリスピーでとても良い。☆

The Stranger

The Stranger

  • ビリー・ジョエル
  • ロック
  •  

やっぱりスゴいビリー・ジョエル。行き届いた味の濃淡のバランスっていうのか、さすが大物だなぁって貫禄ある。飛ばし過ぎず抑え過ぎすあくまでスムーズ…。アルバム全体だけでなく曲単位でもそれご徹底されていてジワジワ骨身に沁み入る。耳馴染みありそうな2、3以外こそ是非聴いて欲しい。☆

French Kiss

French Kiss

  • Bob Welch
  • ロック
  •  

 

 

I Can't Say No

I Can't Say No

  • Don Brown
  • ロック
  •  

 

 

 

1978

Bish

Bish

  • スティーヴン・ビショップ
  • ロック
  •  

ジャジーなウッドベースのイントロが耳を掴み壮大に始まる1から一気にパーソナルに映る2への美しい流れでノックアウトされる美メロ満載ポップアルバム。参加メンバーがとにかく豪華でミュージシャン以外でもジョン・ランディス、キャメロン・クロウ、キャリー・フィッシャーなんて名前も!

Minute By Minute (Remastered)

Minute By Minute (Remastered)

  • ドゥービー・ブラザーズ
  • ロック
  •  

このアルバムが代表作ではないという点でこのバンドの底知れぬ実力が伺えるマリファナ兄弟(バンド名そんな意味らしい)。M・マクドナルド期のスタートを飾る2を始め眩しさすら感じるスムース曲満載名盤。スッキリした声なのに少し太めに出す様なボーカルが中深煎りの美味しいコーヒーのよう。☆

Evening Scandal (イヴニング・スキャンダル)

Evening Scandal (イヴニング・スキャンダル)

  • ボビー・コールドウェル
  • ジャズ

私のイメージではCMなどの影響でMr. AORはこの人。改めて知らない曲たちを聴いていくとその声のホーン的な艶やかさにウットリする。他でなら繋ぎ曲的にすら聴こえるミディアムテンポの曲もAOR的にはド真ん中の本領発揮の場。それを片っ端からジャストミートさせるサスガはミスター!☆

Toto

Toto

  • Toto
  • ロック
  •  

これはもちろんヨットロックではなくその敵対チームとして出て来そうなザ産業ロックの音色ですが、メタル耳からするととても素直なハードロックという感じで、むしろこれをAORの枠に入れても良いのかしら?と変に心配してしまいます。しかし3といい極上なスムースが雑に混じっててズルい! 

At Third Stroke

At Third Stroke

  • ラス・バラード
  • ロック
  •  

HM/HRバンドRainbowのヒット曲『Since You’ve Been Gone』や『I Surrender』の作者でソングライターとしても大活躍だったラス・バラードのAOR布陣のアルバム。泣きのメロディたっぷりのHRアルバムという感じですが、そこで好みが分かれそう。

Stay With Me

Stay With Me

  • キキ・ディー
  • ポップ
  •  

 

Free Ride

Free Ride

  • Marshall Hain
  • ポップ
  •  

なんだこのアルバム!?これぞスムースというべき軽快なファルセットとカッティングギターで幕を開ける1に思わず息を飲み、そのまま途切れず続く2もメローで心地良さを通り越した極上の無味無臭なポップ感!まさにそこがたまらなく癖になる!全曲バラエティに富み、まるで麻薬の如く虜にさせる…☆

Watermark

Watermark

  • アート・ガーファンクル
  • シンガーソングライター
  •  

 

Nightwatch

Nightwatch

  • ケニー・ロギンス
  • ポップ
  •  

Yacht Rock界のダース・ベイダーがまだ暗黒面に落ちていなかった頃の輝かしい想い出。個人的にはあまり歌い上げずにソフトタッチに歌っているのがこの人は好きなんで、全体的に程よく好きです。アルバム内では特に4くらいノホホンとした曲の時にその艶が引き立つと思っています。

 

Jerry Corbetta

Jerry Corbetta

  • Jerry Corbetta
  • ロック
  •  

 

Don't Cry Out Loud

Don't Cry Out Loud

  • メリサ・マンチェスター
  • ソフト・ロック
  •  

 

 

Player

Player

  • プレイヤー
  • ロック
  •  

 

 

Special Touch

Special Touch

  • Crackin'
  • ロック
  •  

 

Breakin' the Ice

Breakin' the Ice

  • Sweet Comfort Band
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

Waiting for the Rain

Waiting for the Rain

  • James Vincent
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

Boys in the Trees

Boys in the Trees

  • カーリー・サイモン
  • ポップ
  •  

 

Nicolette

Nicolette

  • ニコレット・ラーソン
  • ロック
  •  

 

 

1979

Part of It All

Part of It All

  • Stylus
  • ファンク
  •  

豪ファンクバンドの4th。ブルー・アイド・ソウルにも感じることですが、いわゆる本場から外れる事で出るグルーブとスムースネスはハマると中毒性高い。このバンドも聴きやすさ抜群で、ルパン三世のテーマくらい親近感溢れるファンク・ジャズが多く、日本との相性ムチャクチャ良さそうです。

Extensions

Extensions

  • マンハッタン・トランスファー
  • ジャズ
  •  

これまたかなり守備範囲が広いアルバムで、スウィング・ジャズみたいな曲まで入っている。ゴージャスなコーラスワークのおかげで若干のQueenっぽさも感じる。トワイライトゾーンのカバー?のコスモ感がヤバくてスムースというよりビザールなAORといった印象を受けました。オモロい。

Blue Desert

Blue Desert

  • マーク・ジョーダン
  • ロック
  •  

POP一直線!デシネなんかで取り扱ってそうな程良く力の抜けたポップさ。ホーンなども入ってきますが、フュージョン側にもロック側にもそれほど寄らず、やや渋のボーカルととても合う。この細やかな気遣いのようなバランス感覚は評価大。良い意味でカフェミュージックです。セクシーだなぁ!☆

One More Song for You

One More Song for You

  • The Imperials
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

Vapour Trails

Vapour Trails

  • ヴェイパー・トレイルズ
  • ロック
  •  

 

Power (Expanded Edition)

Power (Expanded Edition)

  • ジョン・ホール
  • ロック
  •  

 

 

Rickie Lee Jones

Rickie Lee Jones

  • リッキー・リー・ジョーンズ
  • ポップ
  •  

 

Restless Nights

Restless Nights

  • カーラ・ボノフ
  • ロック
  •  

 

The Long Run

The Long Run

  • イーグルス
  • ロック
  •  

 

You're Only Lonely

You're Only Lonely

  • J.D.サウザー
  • シンガーソングライター
  •  

 

Oasis

Oasis

  • Jimmy Messina
  • ポップ
  •  

 

Let My Song

Let My Song

  • スティーヴ・ギブ
  • コンテンポラリー・カントリー
  •  

クセの強いボーカルに好みが分かれそうなスティーブ・ギブは、AORというよりもエルトン・ジョンやニルソンを思い起こさせるメロウネスが特徴のようで、頭をそちらにシフトさせた方が断然聴き良い。ヨットな感じでは無いものの黄昏の哀愁という大きな共通の武器を持っているピアノマンである。

Dr. Heckle & Mr. Jive

Dr. Heckle & Mr. Jive

  • イングランド・ダン & ジョン・フォード・コリー
  • ロック
  •  

 

When Love Comes Calling (Expanded)

When Love Comes Calling (Expanded)

  • デニース・ウィリアムス
  • R&B/ソウル
  •  

 

 

1980

Airplay

Airplay

  • Airplay
  • ポップ
  •  

天高く舞い上がってしまいそうなハーモニーのポップロックで始まる本作は、私にとっては良くも悪くもイメージ通りのAOR(not Yacht Rock)。R&B色は薄くHard Rock色を強めたThe 80′sな音とバリエーションの豊かさは少しスムースからは離れるかも。

Christopher Cross

Christopher Cross

  • クリストファー・クロス
  • ポップ
  •  

名曲『セイリング』収録のこのアルバム、なんというか掴みの上手い人という印象を受けました。どんな曲にもハッとするフックなりサビなりが入っていて流し聴きでもふと気をとられる。なに寄りみたく感じさせずフラットなポップだけどチープでは無い「良い曲」を作る人。バランス感覚がスゴい。☆

Robbie DuPree

Robbie DuPree

  • ロビー・デュプリー
  • ロック
  •  

1のパラパ、パッパ、パッパパ♪いう軽快なハートカクテルっぽさ、80s POP王道!という感じは今聴くとむしろ味わい深い。続く2、5、6、8も軽快に飛ばし、あと半分はシットリ。みんな見事にミディアムテンポで、ナイス・スムースである。グラミー新人賞にもノミネートされた。

Island Nights

Island Nights

  • Tony Sciuto
  • ポップ
  •  

 

Shine + 4 Bonus Tracks (Remaster Tracks)

Shine + 4 Bonus Tracks (Remaster Tracks)

  • アヴェレイジ・ホワイト・バンド
  • R&B/ソウル
  •  

 

Larsen/Feiten Band

Larsen/Feiten Band

  • Larsen-Feiten Band
  • ポップ
  •  

これぞ全曲スムースの極み!スローなグルーヴでジワジワ滲みよるムード溢れる1、2、4、ミディアムテンポの軽快さに身体動かされる3、5、7、変わり種リズムが楽しい6にシットリ締める8と全てが職人肌で全く無駄がない!スター選手がいないのにいつも勝てる采配の妙、そんな激渋アルバム!☆

One Eighty

One Eighty

  • アンブロージア
  • ポップ
  •  

 

Rain or Shine

Rain or Shine

  • Dave Raynor
  • ロック
  •  

 

Midnight Radio

Midnight Radio

  • James Lee Stanley
  • ポップ
  •  

 

Guilty

Guilty

  • バーブラ・ストライサンド
  • ヴォーカル
  •  

 

Footloose

Footloose

  • Footloose
  • ポップ
  •  

 

 

1981

Dad Loves His Work

Dad Loves His Work

  • ジェイムス・テイラー
  • ロック
  •  

 

Sneaker

Sneaker

  • Sneaker
  • ポップ
  •  

 

On the Heels of Love (Remastered)

On the Heels of Love (Remastered)

  • Roger Voudouris
  • ポップ
  •  

 

Balin

Balin

  • マーティ・バリン
  • ポップ
  •  

 

Cat Trick

Cat Trick

  • ローレン・ウッド
  • ロック
  •  

 

Maxus

Maxus

  • Maxus
  • ポップ
  •  

 

Breakin' Away

Breakin' Away

  • アル・ジャロウ
  • R&B/ソウル
  •  

 

Rit, Vol. 1

Rit, Vol. 1

  • リー・リトナー
  • ジャズ
  •  

ジャンルを跨ぐ時、派手に乗り込んで行ってカマすのではなく、注意深くお互いの主張を取り入れ、そこに最良の譲歩としてのスムースが生まれる、フュージョンからAORへの接近の本作でその大人としての対応力を感じます。スライのカバー8をはじめ、ミディアムテンポにクールなファンクネス!

Secret Combination

Secret Combination

  • ランディ・クロフォード
  • R&B/ソウル
  •  

 

Chris Christian

Chris Christian

  • Chris Christian
  • ロック
  •  

 

Love Is the Key

Love Is the Key

  • Tommy Coomes
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

Dreamer's Dream

Dreamer's Dream

  • Pete Carlson
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

Willing Heart

Willing Heart

  • Kelly Willard
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

 

1982

Bill LaBounty

Bill LaBounty

  • Bill LaBounty
  • ポップ
  •  

ジャケからも漂いますが、ひたすら穏やかなアルバム。演奏メンバーが同年発売の『Nightfly』とほぼ同じらしく、似てる印象も少しは受けますが、もっとサラサラと流れていく感じ。逆に静寂の中のシャッフルビートみたくファンキーさが潜んでいるような3や5は変な興奮を覚えますね。

The Nightfly

The Nightfly

  • ドナルド・フェイゲン
  • ポップ
  •  

こんな快適なアルバムはあっただろうか?そのイントロが流れるだけで確実にスムースの世界に連れて行かれるスムース・ミュージックのメッカ。まさに深夜のラジオ番組のように親密で、有名なジャケや究極のサウンドメイキングなどがたとえ語り尽くされたとしてもこれから何度も聴くであろう超名盤☆

Eye to Eye

Eye to Eye

  • アイ・トゥ・アイ
  • ロック
  •  

 

If That's What It Takes

If That's What It Takes

  • マイケル・マクドナルド
  • ロック
  •  

 

Jazz Life

Jazz Life

  • Mark Winkler
  • ジャズ
  •  

 

View from the Ground

View from the Ground

  • アメリカ
  • ロック
  •  

 

Long Time Friends

Long Time Friends

  • Alessi Brothers
  • ポップ
  •  

 

Chicago 16 (Expanded Edition)

Chicago 16 (Expanded Edition)

  • シカゴ
  • ロック
  •  

 

Leon Ware

Leon Ware

  • リオン・ウェア
  • ポップ
  •  

 

Solo

Solo

  • Steve Archer
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

White Heart

White Heart

  • White Heart
  • ロック
  •  

 

I'm Your Girl Friend

I'm Your Girl Friend

  • ダラ・セダカ
  • ポップ

 

 

1983

Walls of Glass

Walls of Glass

  • Russ Taff
  • CCM
  •  

 

Two Eyes

Two Eyes

  • ブレンダ・ラッセル
  • R&B/ソウル
  •  

 

No Less Than All

No Less Than All

  • Glad
  • クリスチャンミュージック
  •  

Contemporary Christian Music(CCM)というジャンル、初めて聴いたのですが、確かにAORと合うのかも。メローというよりソフト、全編キレイにまとまっていてR&B色はあまり感じられないピュアなロックという感じ。ボーカルが平井堅さんの声に似てます。

 

1984

Straight Ahead

Straight Ahead

  • エイミー・グラント
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

Out of the Shadow

Out of the Shadow

  • Paul Clark
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

What About Me?

What About Me?

  • ケニー・ロジャース
  • カントリー
  •  

 

Anywhere You Go

Anywhere You Go

  • デヴィッド・パック
  • ポップ
  •  

 

Face to Face

Face to Face

  • Scott Smith
  • クリスチャンミュージック
  •  

 

 

1985

Sleepless Nights

Sleepless Nights

  • アラン・ゴーリー
  • ロック
  •  

 

Watching You Watching Me

Watching You Watching Me

  • B.Withers
  • R&B/ソウル
  •  

ビル・ウィザースがAORにやや接近したアルバムのようだが、1、2、6にその印象を感じるものの、シティ・ソウルという聴こえ方も十分するので、ビルそもそものムードがAORと親和性があるものだったと思われる。テンション的にはレゲエと言った方が良さそうな6はサンシャイン!って良さ。

Gotta Have the Real Thing

Gotta Have the Real Thing

  • Rick Riso
  • ロック
  •  

 

 

 

1986

Solitude / Solitaire

Solitude / Solitaire

  • ピーター・セテラ
  • ロック
  •  

 

Glenn Medeiros

Glenn Medeiros

  • Glenn Medeiros
  • ポップ
  •  

 

 

1987

Richard Marx

Richard Marx

  • リチャード・マークス
  • ポップ
  •  

 

 

 

1988

Soul Searchin'

Soul Searchin'

  • グレン・フライ
  • ポップ
  •  

 

 

 

1989

Cry Like a Rainstorm, Howl Like the Wind

Cry Like a Rainstorm, Howl Like the Wind

  • リンダ・ロンシュタット
  • ポップ
  •  

 

Koinonia

Koinonia

  • Koinonia
  • CCM
  •  

 

  

1990

 

 

 

ちなみにグラフィカルなYacht Rockのイメージはありきたりですがこんな感じです。⛵️

Dubstronica さんの Pinterest ボード「Yacht Rock」をフォローしましょう。

*1:どちらもむちゃくちゃ名著なので映画・音楽関わらず必読の2冊です。眼から鱗がボロボロです。

ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて

ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて

 
ヤング・アダルトU.S.A. (ポップカルチャーが描く「アメリカの思春期」)

ヤング・アダルトU.S.A. (ポップカルチャーが描く「アメリカの思春期」)

 

*2:もちろん架空のジャンル

*3:もちろんデッチ上げ

*4:このジャンルを深く聴き知る上でのバイブルにあたる本なようで避けて通れない…!

AOR Light Mellow Remaster Plus (POP CULTURE SERIES)

AOR Light Mellow Remaster Plus (POP CULTURE SERIES)

 
AOR (ディスク・コレクション)

AOR (ディスク・コレクション)