そのドアを開けたらゾンビがいる

わかっているんだけどねぇ〜☆

スタジアム待望論:The Prodigy『Invaders Must Die』

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と、マサ伊藤大先生のような書き出しで始まりましたが、わりと本気でそう思っています。ジャンルとしての「スタジアムクラス」という言葉がぴったり来るのはサマソニの時にばっちり体験しましたが、それを見事にアルバムというフォーマットに落とし込んでいると思います。

 

ボクはわりとスタジアム級のバンドが好きです。

どうしても、バンドという存在が、売れることで、大きくなっていく過程で、商業的な匂いというのは避けて通れないものだと思っていて、もともとがインディーズ的な人気がある場合は特に、バンドがメジャーシーンにあがっていくことに非難が出るケースがあります。

 

メジャーに行かない、という判断も、行くという判断も、どちらが良い悪い、というのは無いと思っていますが、メジャーとしての振る舞いというのは、個人的には、存在すると思っていて、たぶん、それは、必要とされることを受け入れることなんじゃないかな、と漠然と思っています。

 

一番始めにそういうことを意識した上で、カッコいいな、と思ったのはU2のライブでした。

 

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なんというか、フォーマットに適したコンテンツを提供する、という意味でパーフェクトじゃないかと思います。

 

そして、話はThe Prodigyに戻りますが、去年体験した彼らのライブもまた、U2同様、「The Prodigyに何が求められているのか?」という問いに対して倍返しで返したあげく、ギブアップしてるのにまだホールドを放さないくらいたっぷりと「The Prodigy」を見せつけます。

ひとつ前のアルバム『Always Outnumbered,Never Outgunned』が、蟹で有名な『The Fat of the Land』に対するカウンターで、かつ蟹の呪縛を嫌というほど感じまくるきっかけになったアルバムだったと仮定すると、ついに1st『Experience』から今までのすべてを凝縮して、これがThe Prodigyだ!とパッケージングしてしまったのが、この『Invaders Must Die』ではないか、と思います。

 

いままでのThe Prodigyの焼き増し集じゃないか、と言うこともできるかもしれません。そういう見方はたぶん、それほど間違ってもいないんじゃないかと思います。ただし、焼き増し、という表現はオリジナルを超えることができない場合に使われるものであれば、今回はそういう意味ではひと味違う。

きっと、今のThe Prodigyほど、今までのThe Prodigyをも完璧にこなし、蟹の呪縛をも振り払って、どの時代のThe Prodigyファンの期待をも裏切らず、さらにスタジアムで強烈な存在感を発揮出来る状態は無いのではないでしょうか?

JusticeやDigitalismなんからへんのフレンチ・エレクトロと呼ばれる(のかな?)シーンへの影響もおそらくThe Prodigyからが一番大きいでしょうし、たしかJusticeはインタビューで、Daft PunkというよりかはThe Prodigyに影響を受けたというようなことを言っていたと思います。(リアムの耳にも入っていたらしい)

そういう意味では、ようやく本家が本来の姿で登場した、という感じもします。

 

そして、そのことを嫌というほど痛感出来るのは、きっとこれから来るべき彼らのライブで、なんだと思います。

 

ぜひ、日本に来る際は、最低でもアリーナクラス、願わくば全ドーム制覇みたいなツアーを期待してしまいます。もう、小さい会場では彼らの良さを受け止めきれないと思います。

そして、もっと欲を言うなら、自分に合わない曲の時はそでで休んでていいので、リロイにバンドに戻ってもらって、あの手足の長いクモの様なフニフニダンスを見せてほしいです。

 

このアルバムは、The Prodigyという「スタジアムクラスのバンド」が出した本当に素晴らしいアルバムです。

 

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