Takeru Ishikawaさんのインタビュー、最終回です。
拝:ついコンの反応って、作った側はどうでした?
イ:そうですねー、個人的にはよかったと思います。タイムラインで流れてくるのを見る限り。 今までは、友達ぐらいしか感想もらえなかったですからね。配信系のサイトにアップしても、そんなに感想とかもらえないじゃないですか?そういう意味でも、参加してよかったって思いました。
拝:今までもらっていた感想と、Twitterの中でもらった感想って特別な違いありましたか?
イ:ありますね。友達だったら、もっとつっこんでいろいろ言ってくれますね。お互い音楽やってたり、映像つくってたりするので、どうしたらもっといいものができるのかー的なことが出てくるんですけど、Twitterだとやっぱり、ホント聞いた感想で、しかもよかったっていう感想しか出てこないじゃないですか。誉められて伸びるタイプなので、やる気は出ました。頑張ってもっと曲つくろう!みたいな。
拝:(曲が全体的に短い、という感想を言ったことがあり)じゃあ、ボクは割とけなしちゃったほうです。短いって。
イ:それはもっともな事実です(笑) 拝:長くしたくない、という訳ではないんでしょ? イ:そうですよ。なんだろ、構成力みたいなもの、が欠けてますね
拝:そうなんですか?
イ:長いのを作るための。あと作ってる最中に延々と聞いてるわけで、なんか削っていっちゃったりするんですよね。
拝:自分に取って無駄な部分みたいなのを?
イ:そうですね、コンパクトにしてしまいますね。
拝:じゃあ、今後の課題は「コンパクトにしない」?
イ:両方できるといいですねー、長いのも短いのも作れる!みたいな。実際仕事で携帯用のをやってるので短くしないといけないってのもあるんです。
拝:職業柄の癖みたいなのもあるんですね。 携帯用FLASHの音とかを仕事で作成する時は、納期的にすごく早く仕上げてると聞きましたが?
イ:今日も仕上げました。大抵24時間以内にあげています。大体6秒から12秒ぐらいのループ作るだけなので。
拝:リョウ・アライさんとか、レイ・ハラカミさんとかも職業でゲームミュージックだったり、企業向けのビデオの音を作っていたりしていたらしいですよね。
イ:へぇーへぇーへぇー!
拝:その2種類は、曲とパーツみたいな違いなんですか?それともそこは仕事は仕事、自分の作品は作品?
イ:特に分けて考えてはいないです。
拝:では、最後にいくつか質問を。使っている機材について教えてください。
イ:今は、iMacで作業してます。ソフトはCubase 4です。あとは、M-AUDIOの88鍵のMIDIコントローラーぐらいです。音源はCubase 4に付属のもので今のところやってます。
拝:それだけですか!?ハードのものとか、いっさい無しで!?
イ:一切ないです。
拝:本当に最小限だ!
イ:学生の延長でやってるので、そんなにお金を機材に使えてなかったっていうのもありますけど。
拝:自分の音楽に影響を与えた5枚のアルバムを選ぶとしたら?
イ: この5枚です。
"S.F.sound furniture" (capsule)
"Immediate Action 8" (Telefon Tel Aviv)
拝:次回作の構想とかテーマみたいなものはもう決まっていますか?
イ:今のところは、テーマとしてholiday in the parkっていうのを決めました。内容はまだ全然ですけど(笑)
拝:それは、アルバムの仮タイトルみたいなものですか?
イ:そんなところですね。
拝:今までイメージをもとに進めていたのが、こんどは言葉をたよりに始める感じに近い?
イ:実は、とある雑誌の特集から持ってきました。
拝:その雑誌が何かは、訊いてもいいですか?
イ:BRUTUS(8月15日号)です。もしかしたら、全然作れなくて、まったく別のテーマになるかもしれませんが(笑)
"BRUTUS (ブルータス) 2007年 8/15号 [雑誌]" (マガジンハウス)
拝:では、自分の中で風景を探しながら、音をたぐり寄せて行く感じではなく、イメージ的なものは一応あるんですね。
イ:もう雑誌の特集読んで、そのイメージアルバム的なものを作る感じにしたいと思ってます。
拝:では、締めとして、それっぽいですが、アルバムを聴いてくれた人たちへ、なにかメッセージをおねがいします。
イ:聞いてもらえてうれしいです。気に入ってもらえたら、もっとうれしいです。まだ、どんな感じのものを作るかっていうのが定まってないので、これから楽曲がいろいろ変わっていくかもしれないけれど、それでも、たまに聞いてもらえるように、もっとたくさん作りたいです。よかったら次のも聞いてください!
拝:ありがとうございました!
実は、今回のインタビューはすべてSkypeのテキストチャットで行っています。偶然雑談をさせてもらう機会があったのですが、その時にちょっとインタビューっぽいことを訊いてみたら、答えてくれて、ついついいろいろ訊いてしまいました。しかも、最後の方は、どうしても訊き足りなかったことを追加でインタビューさせてもらいました。
いろいろ印象に残っていることはあって、アルバムを作りたい、というよりも、音楽配信をしたい、というのが動機として強いあたりが、なんというか時代は変わったなぁ、というおっさんとしてのイメージを持ったんですが、使ってる機材がiMacとCubaseだけ、というのも、驚きました。
ボクも昔、あそびでCubaseを使っていたことがあったので、そんなにできちゃうんだ!という驚きのあまり、うっかりMacのガレージバンドで週末いろいろいじって遊んでみました。もちろん、ボクは遊びレベルですが、(MacやCubaseを買うのもそれなりの初期投資がいるとしても)そんなに身近に思えるような機材で作っているとは思いもしませんでした。
自分の買った作品の作者にインタビュー的なことをさせてもらう、というのは非常に貴重な経験でした。支離滅裂な感じになってしまいましたが、読んでいただいて気になった人は是非、『Usual』を聴いてみてください。
協力:komaku
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