そのドアを開けたらゾンビがいる

わかっているんだけどねぇ〜☆

『エレクトロマ』でDaft Punkを振り返る

映画館で観れなかったものの、予告等もまったく観ておらず、写真だけで知っていたDaft Punkの『エレクトロマ』のDVDを買いました。

軽く感想のようなことを書いたりするので、まだ観てなかったり、この映画に関する感想みたいなものをインプットしたくない人は、一応断っておきますが、読まないほうがいいかと思われます。

ダフト・パンク エレクトロマ ダフト・パンク エレクトロマ

監督: トーマ・バンガルテル, ギ=マニュエル

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エレクトロマ公式サイト
※追記:公式サイト、なくなっちゃったみたいです。リンク先が違うサイトだったので、リンクを外しました。

ディオールが手がけたらしいジャケットやヘルメットを写真で見ていて、いいなー、と思ってこの映画を観たんですが、家でリラックスして床に寝そべって観ていたら、寝そうになりました。

(それがロボット性みたいなものの表現なのかどうなのかはわかりませんが)台詞は一切なく、Daft Punkの映像を使った新しい表現、という部分を際立たせる為か、それともこの映画(映像)のコンセプトに沿っているのか、音楽は本当に最小限に留められており、非常に無音に近い感じです。結構大自然の中をフェラーリで走ったりかと思うと白と黒を強調した室内でごにょごにょしたりして無機質な感じには音がないのは合ってると思います。

ロボットが人間になりたい、というようなストーリー的なものが一応あるようで、それは台詞がなくてもきちんとわかるような感じですが、純粋にDaft Punkがどうこうということを抜きに映画として考えると、なぜか『砂丘(Zabriskie point)』を思い出してしまって、新鮮さとか衝撃とかというものが味わえなかった。比較したわけでもないし、そこまで『砂丘』の詳細を覚えているわけではないですが。

砂丘 砂丘

監督: ミケランジェロ・アントニオーニ

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床に寝そべりながら、そのカットは、そう撮るのか?なんて、素人のくせに余計なことを考えちゃったりして、「いつから映画評論家になったのさ?」と自分に突っ込みを入れたくなる感じ。でも、そういうなんというか自問自答をしながら観てしまう感じなのです。

でも、これは絶対(僕が気づいていない)何かあるはずだ、なんて思っちゃってるところがミーハーだなぁ、やっぱりDaft Punkが好きなんじゃないか、とか思ってふと、いやいやいや、僕はDaft Punkの1st以降を、本当につい最近までまったく評価していなかったじゃないか、ということを思い出しました。

『Homework』   Daft Punk - Homework は当時新宿のマルイの下にあったヴァージン・メガ・ストア(新宿駅の地下道からそのまま直結で行けたから好きだった)においてあった、LOUDが監修したフリーペーパーでThe Chemical BrothersやUnderworldやThe Prodigyなんかとひとからげに”デジタル・ロック”みたいに特集しててその中の記事で知りました。今考えたらすごい括りなんだけど、EBOMANとかベントレー・リズム・エースとか、まだ1stしか出てなかったFatboy Slimとか2nd出たてのスクエア・プッシャー、LIONROCKなんかも確か一緒になってた。

アシッド・ハウス・リバイバルのさらにリバイバル(『Teachers』とか入ってたからか?)みたいにも当時言われていたような気がしますが、なぜか、ほかの括りのアーティストと違ってDaft Punkだけが売り切れで全然見つかりませんでした。きっと偶然か入荷数が少なかったのかだと思うんですが、手に入れるまでに結構時間がかかって、それで聴いた『Homework』がなんとも言えずに良くて、そのときのデジタル・ロックという(その後、ブレイク・ビーツやら、ビッグ・ビートやら、ドリルンベースやらいろいろな形容詞が飛び出しましたが)括りの中で、ダントツにわけのわからない中毒性を持っていたと思います。しかも当時違和感を持っていた”デジタルロック”という括りから一番離れているように感じられて、もともとがロックを聴いていた僕は、こういう電子音楽みたいなものが聴きたかったんだ!とえらい興奮していました。

それだけに、その後に出た『Discovery』が全然受け入れられなかった。『One More Time』が大ヒットして、いろんなクラブや友達の家やテレビやなんやらでかかってて、そのPOPさについ聴いちゃうんだけど、そうじゃないんじゃないか?、って感じてました。それだったら『Music Sounds Better With You』の方がいいじゃないか!とか思っていました。

stardust - the music sounds better with you

それくらい1stが好きだったんですね。それでも『インターステラ5555』はちゃんと観てたりして、これはこれで好きだったりするんですが、1stの個人的呪縛を解くほどではなく、家庭内別居みたいな評価の仕方をしていました。

インターステラ5555-The 5tory of the 5ecret 5tar 5ystem-special edition インターステラ5555-The 5tory of the 5ecret 5tar 5ystem-special edition

音楽: Daft Punk

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往々にして、好きなアーティストの作風が変化することで受け入れられなくなっちゃうことはあるとは思うんですが、今回『エレクトロマ』を観て、寝落ちしそうになりながらも最後まで見通して、ぼけーっといろいろ考えていたら、急に『Human After All』が聴きたくなって3回くらい連続で聴きました。持ってすらいなかったのでダウンロード   Daft Punk - Human After All で買ってまでして聴いちゃいました。いや、いいですね、これ。コンパクトなミニマルディスコロックとかみたい。でも、そんな言われ方されてたらまず聴かないですね。

まとめ:『エレクトロマ』は「Daft Punkは1st以外は駄目だ!」といまだに思っている人に見てもらって、『Homework』は『Homework』というジャンルみたいなもの、『Discovery』もそう、『Human After All』も、と切り離してから俯瞰で見てみて、どこまで「Daft Punk的なモノ」を増やすことが出来るんだろう?と年末のdafunkfest に思いを馳せながら、追加アーティストでDE DE MOUSEが入らないかなぁ、と祈りましょう。

ちなみに、Daft Punk Girl、かわいすぎ。惚れる。

Daft punk Girl