試写のあと封切り直後にも映画館で館を変えて2回『ラ・ラ・ランド』を観ました。少しブランクが空いた2回目もまたグッと来ていたので月一ペースくらいがちょうど良さそう。それでもまだエマとライアンのカップルがイチャイチャしてるところを見足りない!
で、試写の後、せっかくなのでさっそくミュージカル映画の世界に入門してみました。初心者ですので、とりあえず代表作と呼ばれるようなものや引用されたとされるようなものから観始めました。感想もメモしてあります。
観た順に行きます。一番初めに手をつけたのはこちら。全編まるっと歌うミュージカル映画というのがあることすら知らなかったので「いつドラマパートが来るのかな?」と呑気に構えていましたが、全てがこのまま進む(世界は完全に歌に支配されている!)ということに気づいた時はなかなかの衝撃でした。逆に、と言ってはなんですが、不自然に踊ることはありません。
映像というか色遣いが片っ端から美しく、全編通したハイトーンの歌には戸惑いましたが、この美術を観るためだけでも観て良かったです。
ストーリーはシンプルかつ物悲しいものですが、迷う事なく訪れるエンディングの潔さには盛大な拍手を贈りたいです。そこは『ラ・ラ・ランド』にも通じますね。ちなみに登場人物のマドレーヌがかわいすぎて惚れました。それほど深くは描かれていないように感じる二人の主人公以外の人物についてもけっこうジワジワくるものがあって、想像の余地でいくらでも遊べる普遍性の強さを感じます。
これはさすがに慣れないぞ?と思っていた歌のテンションですが、観終わってしばらくしても頭の中に残っている事に気付きました。後から来るパターンのやつです。むだにフレーズをつけて喋りたくなりますが、困った事に私の世界は歌に支配されていない!『ラ・ラ・ランド』後の1本目に観るには少し高度すぎたかな?と今となって感じているので、少しミュージカル映画に慣れた今、また観返したいと思っています。ちなみにNetflixで観れます。
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ちょっと長いですが、個人的には「これ!これ!」と納得&感動のミュージカル。スゴく好きです!
『ロミオとジュリエット』をベースにプエルトリコ系とポーランド系のアメリカ移民の若者たちの衝突と悲劇を描いたミュージカル映画の定番とのことで、ミュージカル初心者でも楽しめるバランスで、歌って踊ってセリフも喋る。
マイケル・ジャクソンが影響されて『Beat It』を作ったのも納得のソリッドなダンス。(銃を撃つゼスチャー「パォ!」はここから!?)子供の頃からマイケルのファンでありながら観ていなかったこの不勉強さを恥じ入ると共に、このタイミングで観れたことの嬉しさも感じました。とっても気に入った理由に「元々マイケル・ジャクソンのファン」というのはかなり大きい。ミュージカル的なものは昔から観てきたじゃないか!という気づき。
ロミオとジュリエットの筋を知っていても、初々しい2人の恋路を案じてしまうし、オープニングからガツンとかますカッコよさの説得力はさすが。即真似オッケーです。
あらためて観ると、ケンカがダンス、ハハァンなるほどと膝をうつし、そういうメタファーはシンプルかも知れないですが、とても好みです。
ちなみに、余韻を味わうのに本作のサントラはもちろんのこと、Oscar Peterson Trioが演った同名アルバム『West Side Stroy』を強くおすすめしたいです。サントラに勝るとも劣らないというか、むしろ私はこちらの方を30倍くらいリピートして聴いていますが、全く飽きません。Apple Music(https://itun.es/jp/iNGa9)とかにもあります。映画の歌そのものを聴くよりも、なんというか想像の隙間、あるいは漂う余韻をより強く感じることが出来るアルバムだなぁ、と愛聴しています。
なお映画本編はHuluでも観れました。
ダンスはアクションだと強烈に再認識されられた歌って踊っての傑作ミュージカル映画。ここまで完成度が高いとは思ってもみませんでした。カッコいいったらありゃしない!
ストーリー展開の仕方もとってもオシャレだし、その構造がたくさんの素敵なステージ(その美術も素晴らしい!)を内包しててダンスシーンをたっぷり楽しめるのもさすがとしか言いようがない。
歌と踊りは楽しさだけじゃなく、その激しさに思いっきりアクション映画として楽しんでしまったし、ちょいちょいあらわれるカメラ目線を含むスターの演技感にも違和感どころかグイグイ引き込まれた。
ジーン・ケリーという名は聞きこそすれど、未だ見ぬ人のままずっと生きてきましたので、今まで彼の名前から連想していたのはジャッキー・チェン。ジャッキーが自身の映画や演技に多大な影響をうけた人としてジーン・ケリーをあげていたのが、本作を観てこれまた納得しまくり。アクションだけでなく特に表情の作り方なんかまでジーン・ケリーそっくりだった!
中盤で観れるジーン・ケリー演じる主人公の親友役、ジャッキー映画でいうところのマースみたいなポジションのドナルド・オコナーのソロパートがこれまた半端なく、マースどころがユン・ピョウとサモ・ハンの役割を一人でカマしたくらいの衝撃!ヒロイン役のデビー・レイノルズ(レイア姫のお母さん!!!)のキュートさと未経験だったのに特訓で身につけたというダンスのかわいさもハンパないし、恋敵的なジーン・ヘイゲンも嫌味な役のはずなのにとてつもなくキュートで愛おしく、とにかくみんなホントスゴい!
オープニングに出てきたドラ・ベリー(レポーター役?)からは『ハンガー・ゲーム』でエリザベス・バンクスが演じていた役への影響も感じたりして、きっとそういった影響力には枚挙に暇が無いのでしょうが、それを探っていくのもかなりの楽しみ。
観終わった後もすでに3回くらい観てて、今更ながらにこの映画は今後何度も観そうだし、ぜひ映画館にかかった時には行きたいです。ジャッキーファンにはマストすぎた…
兵役後、アメリカからパリに絵画留学している売れない画家(ジーン・ケリー)とフランスのお嬢様(レスリー・キャロン)、富豪なパトロン女性(ニーナ・フォッシュ)に有名な歌手(ジョルジュ・ゲタリ)の4人が交差するラブ・ロマンスで、それぞれ別のパートナー(候補)がいながら恋に落ち、さあどうなりますかね!?っていう、言ってしまえばシンプルなお話。
個人的にヒロインとしてのレスリー・キャロンがピンとこなくて乗り損ねてしまったのも、先行して観ていた『雨に唄えば』のバラエティー感に比べてしまうからというのもあり、どうしても振り幅は狭くジーン・ケリーの一人舞台感が強かったです。全体的なバラエティー感を期待してしまうと退屈さを感じてしまったのですが、ダンスにおける恋の行方の表現度合いは抽象的な表現など『雨に唄えば』よりも興味深く感じたところもあるんです。エンディング前のジーン・ケリーの妄想部分のダンス・シークエンスは『ラ・ラ・ランド』におけるエンディングのそれにも通ずるものを感じます。
ジーン・ケリーのキレのあるアクロバティックなダンスだけでなく、オープニングの起床シーンにはジャッキー・チェンへの影響が垣間見える最高のシーンです。
『シェルブールの雨傘』に続くジャック・ドゥミのミュージカルは、前作から歌を減らし(普通のセリフを入れ)ダンスを追加して、最高に楽しいミュージカル映画になっていた!
美術のステキさは前作同様で、実際の建物にまでペイントしたという色へのこだわりもスゴいし、衣装はかわいいし、それらが効果的に配置されダンスする構図がとってもステキ。
シャーク団のリーダーことジョージ・チャキリスが出てきた時に「!!!」と驚いた嬉しい予感があたり、『ウエストサイド物語』の時のストーリー云々とは別にすら成立するような歌と踊りの説得力の高さで溢れる多幸感が上乗せされ、ミシェル・ルグランのゴキゲンな音楽に群舞が加わるとこんな破壊力が!と微笑んでしまう。今回はさすがに全体のバランスからするとジーン・ケリーの存在感は(キレが良すぎて)良くも悪くも違和感に繋がるギリギリのところだった気がしますが、抜群のおノロケ・スマイルでの登場には、困ったオジサン出てきちゃったなぁ〜と愛憎入り乱れた半笑いのニヤニヤが出ちゃう(結局好きなんです)。
ロシュフォールの街で、出会えそうで出会えない(成立しない)3組のカップルの行方がギュッと濃厚になっていくエンディング、最後の一組の行方は!?とヤキモキさせられた上にとってもオシャレな終わり方で溜息がこぼれた。『シェルブールの雨傘』の時に乗り切れなかった個人的にミュージカルを受け入れるために必要な「勢い」みたいなものを歌と踊りのハッピーさという路線変更で強固にして、そのせいでロシュフォールで見られる機微のようなものはかなり取っ払われてしまったと思うのでかなりのマイナスなはずなんですが、それでも私はホントにステキなミュージカル映画だと感じました。
この不自然で強引な説得力はそのまま『ラ・ラ・ランド』の好きなところと似ています。気持ちが惹かれ合い始め歌い踊る、心が通じ合い歌い踊る、ルーツに立ち返り歌う、二人のハッピーな世界を想い歌い踊る、そんな気持ちの強まりのような感情の発生が自分の中でもなぜか自然と歌と踊りに置き換えられた。そんなことが自分の中で起きたこと自体が感動した理由なんじゃないだろうか?(まだ自分でも不思議なままです)
そういうの苦手なはずだったのにね。
ミュージカル映画の探訪はまだまだ続けます。
ちなみに、セブの部屋の時計はセイコーのこれでした(色味までは記憶に留まらず)。奇しくも同じものを使っています。うふふ。
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