最近めっきりコーヒーを淹れることにハマっています。それは正に沼そのものです。そこそこ長く続いているし、かつ変容が見られたので自分のために少しまとめておきます。
ブーム以前のお話
元々は深煎り、フレンチローストの苦くて重いコーヒーが好きでした。キッカケは20代前半、新宿のジャズ喫茶「DUG」で飲んだフレンチコーヒー(今はもうメニューには無いので正式名称は定かではありませんが)で、流れる音楽やその店の雰囲気とともに、渋いコーヒーがとても美味しく感じられ、以来、家で飲むものも深煎りのコーヒーを選ぶようになりました。たまたま父もコーヒー好きで、家でインスタントを飲む習慣がなかったため「コーヒーを飲む=Kalitaでハンドドリップで淹れて飲む」だったので、ごく自然に近所のロースタリーで焙煎された深煎りのコーヒー豆を店で挽いてもらい、家でドリップして飲むようになりました。
Kalita 陶器製コーヒードリッパー 102-ロト ブラウン #02003
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その頃はドリップに技術があるということなんて知らなかったので、紙フィルターをセットして沸かしたお湯を思い切り注いで淹れていました。比較対象も情報もなかったので、特にマズいとかの差は何も考えなかったし思いもしなかった。
最初のブーム
さかのぼること約3年前、2012年11月号でBRUTUSがコーヒー特集を出しました。
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フグレン上陸を皮切りにノルウェーのコーヒーシーンや東京の新世代コーヒーシーンが紹介されていて、「サードウェーブ」なる言葉もここで知ります。その特集で「エアロプレス」なる抽出器具に出合います。
もう見た目にガツンとやられた。運良く近所にある名店「Onibus Coffee」でシングルオリジンのコーヒーがドリップとエアロプレスの2種類の抽出方法から選んで飲むことができます。この風変わりな抽出器具と共に、それまでほとんど飲まなかった浅煎りで酸味の強いコーヒーに出合い、はじめて酸味が美味いことを知ります。
また、コーヒーを淹れることに技術があることも知り、たまたま見つけた本のおかげで、自宅用にエアロプレスとコーノのドリッパー、コーヒーポットを購入し、儀式的なコーヒータイムが生まれ、ドリップの練習のようなものもはじめます。
ブーム・イズ・バック
それからしばらくして、忙しさと慣れでコーヒーのブームはいったん落ち着きます。
それを再び呼び覚ましたのはアメリカ、ブルーボトルコーヒーの上陸によるサードウェーブコーヒーブームです。そういえばうちにもいろいろあるぞ、と思っているところに、コンビニでムックになったBRUTUSコーヒー特集を手に取り、ブーム再来です。
BRUTUS特別編集 もっとおいしいコーヒーの進化論。 (マガジンハウスムック)
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読み比べるとわかりますが、2012年の特集内容が再掲載されていたりして、サードウェーブを中心としている事自体はあまり変わっていない。スタバをもリプレースしよう勢いのブルーボトルコーヒーの強烈なインパクトに隠れてしまいがちですが、2012年に読んだ「新世代コーヒーシーン」は2015年にはしっかり根付いていて、特に並ばなくてもちゃんと美味いコーヒーが飲める場所がたくさん出来ています。おかげで「近所のロースタリーで好みの味に出合う」みたいなことが2012年よりももっと身近になっていました。
同時に一度ブームの鎮火を経たおかげでそれまですっかり触れなかった「豆を挽く」ということに今回気付き、まずは試しと電動コーヒーミルを導入します。挽きたての豆の香りがハンパなく良いことを痛感。
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せっかく豆の状態で買って帰れるんだからと、いろいろなロースタリーをまわって豆を試すようになります。おなじ産地の豆でもお店によって捉え方の違いと言うんでしょうか、焙煎の状態も違うだろうし、飲んでみたら印象が違います。選択肢がこれだけ増えるとお気に入りの豆を探すというよりも、色んな豆を試せることが面白くなってしまいます。お店に行ってドリップを頼み、その豆を買って帰って家でも淹れてみる、というさらにこじらせたスタイルになりました。
沼へ
それまでコーノのプラスティック製ドリッパーを使っていましたが、お店や雑誌で再三目にするハリオV60が気になって仕方がなくなり、遂にガラス製V60とサーバを自己満足のために導入。
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コーヒーを淹れるのが好きになると道具に拘るようになっていきますが、ホントきりがない沼なので自分ではここで一旦ストップするつもりでした。さすがにお湯の温度とか計るのはやり過ぎだろう、と。このあたりで止めておくのがちょうど良いだろうと思っていました。
しかし、ドリップを繰り返しても、味がなかなか安定しない。お店で飲んだ味にはならないまでも安定させたいと思っていましたが、豆の状態なのか、ドリップの仕方なのか、何なのかわからないけど安定しない。しばらくお店通いと家でのブリューイングを繰り返して悶々としていましたが、ある時「Crossing Coffee Roastery」に豆を買いに行った時にそんな話をしたら、計れるものは全て計ってしまうと良いですよという主旨のアドバイスをいただき、そりゃそうだな、自分の感覚ほどあてにならないのはわかってるもんな、と納得。
遂に、はかり・温度計の計測器具も導入します。水も浄水器を通したものにしたくなり、手軽なものを導入。
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当初、家で豆を挽くというのはかなり面倒なんじゃないだろうかと自分に対する懐疑心もあり選択した電動コーヒーミルでしたが、電動ならその面倒くささは少しはましになるだろうと思って導入したものの、面倒くさくなるどころか、挽いた豆の目のばらつきが気になるようになり、衝動に負け手動のミルを導入します。ここまで来たらもうフィックスできる条件はすべてフィックスしてしまおう。
ちなみに誤解のないように言いますと、挽いた豆の目のばらつきに関しては、選択した器具の構造上の違いなので、電動が良くないというわけではないです。でも、やっぱり手で挽きたかったんだ。挽いた具合が安定してくれるし、豆を挽く時に手に伝わるゴリゴリという感覚すら楽しくなっているので、ここがひとつのバロメーターだな、と思いながら豆を挽いています。コーヒーに対する熱量のバロメーター。
肝心の味も、最近はちょっと安定してきた気がしています。さすがにここまで計ればブレようがないと言えば無いんだと思います。
ボクが計れるもので計っているもののはこんな感じです。
- 豆の量
- 豆の挽き方の細かさ(ミルの設定)
- お湯の量
- お湯の温度
- 抽出にかける時間
ちなみに豆の量はThe Coffee Shop村澤氏のこの記事で知ったこのアプリで計ってます。
答えは風の中にある
ここまでやっておいて言うのもなんですが、やり方に正解は無いみたいで、その豆にあった方法を上手く選んであげる、というのが一般論のようです。豆の量やお湯の温度、ドリップの仕方(これがいろんな流派?がある)や使う器具など知れば知るほど奥が深くてホント沼。
つぎは、まだ試してないフレンチプレスに行くか、はたまたエアロプレスのフィルターを紙ではなく金属に変えるか・・・?