そのドアを開けたらゾンビがいる

わかっているんだけどねぇ〜☆

『バットマン:キリングジョーク』ジョーカーの誕生と狂気のスナップショット

 

バットマン:キリングジョーク 完全版
アラン・ムーア(作) ブライアン・ボランド(画)
小学館集英社プロダクション
売り上げランキング: 23396

 

さて、ボクが初めて手にしたアメコミ(グラフィックノベル)2冊のうちの1冊、『バットマン:キリングジョーク』を読了しました。

グラフィックノベルは本編の前に前書きの文章があったり、構成によっては途中でちょっとした小説のような文章が挟まっていたり(『ウォッチメン』がそうですね)、巻末にもいろんな補足情報があったり、なにより本編の1コマ1コマの情報量の多さに、なかなか1冊読了するにはかなりの体力がいります。

その点、この作品はページ数は少ないので、今並行で読み進めている他の作品と比べると幾分読みやすい。ただし、読みやすい、というのはページ数が少ないというだけで、その重みはハンパない。

これは、ジョーカーの誕生のストーリーです。

 

ジョーカーというと、どうしても思い出してしまうのがヒース・レジャーの映画『ダークナイト』での怪演。今でも耳に「Why so serious?」のセリフが残っています。

 

映画「ダークナイト」予告編


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『キリング・ジョーク』で語られるストーリーは、この狂気の裏付けとなるジョーカーの誕生のストーリーで、その過程には一部ティム・バートン版『バットマン』で描かれていたシーンの元になったかのようなシーンも存在しています。

 

キャラクターとしてのジョーカーも、その2本の映画の2人の俳優が演じたもののちょうど中間のようなイメージを受けます。

道化師そのままのおちゃらけた顔、狂気にとりつかれた恐ろしい顔。

限り無く無駄なものをそぎ落としてシリアスに仕上げたヒース・レジャーのジョーカーと比較すると、デザインという意味ではバートン版ジャック・ニコルソンのジョーカーの方がこの『キリング・ジョーク』のイメージには近いかも知れない。

 

作画を担当しているブライアン・ボランドがそのジョーカーを見事に描いています。

batman killing joke - Google 検索

色使いも絵もかなり癖のあるモノなので、これに慣れないとちょっと読めないかな?と思っていましたが、アラン・ムーアのストーリーとMixされることによって、どんどん世界に引きずり込まれていきます。

映画『ダークナイト』でもチラリ触れられていた、バットマンとジョーカーの関係も絶妙なバランスで描かれている。

 

全体は、短編小説くらいの体感速度で読み終わります。

しかし、ところどころに飛び込んでくる強烈なシーン、そして思わせぶりなラストシーンと、ジョーカーの爪あとがしっかり残っていく作品でした。

 

映画はどちらも観ておくと、よりこの『キリング・ジョーク』が楽しめると思います。