そのドアを開けたらゾンビがいる

わかっているんだけどねぇ〜☆

160TO120という世界

「160TO120」というDJ-Mixのスタイルの一つにハマっている。

キッカケはBooty TuneフルトノさんのこのTweetだった。

 

 

なんとも不思議なリズム。アシッドな四つ打ちを聴いていたかと思ったらいつの間にかリズムがチチチ・チチチとJukeっぽい3連にすり替わっている。マジックを見ているかのようだ。

通常、テクノやハウスのDJでは2曲の異なる曲を1つの同じBPM(テンポ)で合わせて繋げることで、2つの曲をスムーズに1つの流れ・曲のように聴かせるのだが、ここでは2つの異なったままのBPMで2つの曲をつなげている。どこをアタマと考えてテンポを計測するかによって実際には1つの曲の中にいくつかBPMが存在する(という言い方でいいのだろうか?)のであって異なるというのは言いすぎなのだろうがそれぞれの曲単位で聴いている時は、少なくともボクの耳には、それが合わさるとは到底思えない2曲が実はしっかりMixされて独特のグルーブを生み出している。

と、自分で言っていても混乱してくるのですが、そういうのをポリリズムというそうで、ドラムの解説なんかを調べてみるとわかりやすく説明してくれている動画なんかが出て来ます。

 


ポリリズムについて - YouTube

 

難しいことはボクには説明できそうにないですが、たしかにアサラトとかの打楽器系の練習をしている時にこういうの出て来た。やってるとダンダンあたまグワングワンになります。

そういうことをDJでもやってみよう、というもので、Juke/FootworkのDJの方たちはどうやら割と一般的にやっているようです。スゴい。

これ、うまくいくと、120くらいのテクノやハウスから一気に160のJuke/Footworkに持って行ったりその逆も、というミラクルな効果が出せますが、どんなトラックでもハマるというわけではないようで、しっくりこないトラックを選んでしまうとカレーとおしるこを同時に口に含んだような気分になってしまう。

 

じゃあ、どんなトラックがこの160TO120に合うのだろう?とMixに使うために色々と探してみた。これらの曲は160のBPMで120の四つ打ちに上手くマッチすると思うカッコイイトラックばかりだ。

 

『G/H/T/T/O/P/R/I/S/O/N/A/S』Boogie Mann

とても日本のアーティストとは思えないメロディーセンスの溢れるBoogie Mannが、Paisley Parks主宰レーベルБh○§†よりリリースしたEPより。ボイスサンプルに引っ張られてしまうとリズムがとても取りづらいんですが、曲冒頭からガガッガガッと空気砲のような音でなっているキック(?)を追いかけてうまく波に乗れると、ボイスサンプルが一気にリズムをユニークに引き立ててくれてたまらない。

 

 

『All You Ladies』K. Locke

人気レーベルBooty Tuneからリリースされたシカゴの若手筆頭K. Lockeのアルバムより。アルバム全体的にはリスニング志向を強く感じるソウルフルな美メロ満載なのだが、なかなかどうして一筋縄ではいかないリズムでため息が漏れる。オユオユオユ・レディレディディ・レディサッレディサッレディサッとボイスサンプル部分が細かくチョップされたあたりから四つ打ちに混ぜると気持ちのいいポリリズムが味わえる。

 

 

『Texx From Outer Space』Uncle Texx

こちらもBooty Tuneより、日本一ビザールなリズムを作るんじゃないかと思っているUncle Texx。このEPの「Up'n Down」という曲が名曲すぎてホント大好きなのですが、イントロが印象的なこの曲もなかなかの曲者。個性が強すぎて使いこなせないかな?とも思ったがホーン・サンプルが個性の強めのシカゴ・ハウスと上手く合わさったりするとなんともカオスな空間になって良い。

 

 

『Corrina? Corrina?』Satanicpornocultshop

160TO120というスタイル(?)にハマる以前から、Satanicpornocultshopの作るトラックにはなんとも言えぬ違和感を感じていて、なんでこんな不思議なリズムばかりつくれるのだろう?と唖然としていたのだが、やはりこの人達はスゴイな、と唸らされる。ジャズっぽいこのトラックをふくむEPはタイトル同様自由奔放なトラック満載で、Juke/Footworkのフォーマットの持つ実験性のようなモノを限りなく広げ尽くしている。もちろん、ボブ・ディランのファンでなくとも十分楽しめる。

 

 

『Sparve』Skip Clut Orchestra 

広島のDUBLIMINAL BOUNCEのレーベルオーナーであるSkip Club OrchestraがBooty Tuneからリリースした時はビックリしたものだが、このトラックのカッコ良さはたしかにレーベルの枠を超えている。というか、Mixする時のリズムの考え方はこうやって捉えていけばいいんだよ、と教えてくれているかのような展開で、1曲でたっぷり160TO120を楽しめる。160TO120を意識し始めてから聴いた時「あー!こういうことかー!」と声が出た。

 

 

『So High』Jlin

So High

So High

  • Jlin
  • エレクトロニック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

今一番巷を賑わせているであろうJlinの怪作。これはもうアルバム一枚ジックリ聴きいってほしい。ボクはこのアルバムを聴きながらiPhoneアプリ「BPM」をつかって曲の中から120をつくる、というのをよくやっています。160TO120アタマの練習です。

BPM

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  • 無料

 

 国内盤をリリースしているmeltingbotのページも熱いです。

meltingbot.net

 

そんな感じで160TO120に使えそうなトラックを選り分けてMixしてみました。練習なんで色々と粗い部分もあろうかと思いますが、そこはなにとぞ。

160TO120、ぜひお試しいただき、ヤバイ音をボクに教えて欲しい。

 

 

#160TO120 v2 by Dubstronica on Mixcloud

 

 

 

Dark Energy [ボーナストラック収録+インタビュー付き]

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